2.3. 調査報告 (株)アルメック岩田代表取締役
JTCAのセミナーでHCMCにおけるマストランジット整備に関して発表する機会に恵まれ光栄に思う。
HCMCにはすでに多くの調査や計画がある。全ての調査はマストランジットの整備が急務であり、必要であることに同意している。しかし、HCMCの公共交通の要求に対応するためには、1つの路線では十分でないことである。都市鉄道あるいはマストランジットのネットワークを必要としている。それは交通機関だけのためでなく、全体として市街地開発に多大な影響を及ぼす。HCMCでのマストランジット整備のために、非常に良い計画と戦略的なアプローチを必要とすることを意味している。
本日、私は多くのトピックをカバーしたい。最初に、既存資料に基づく、HCMCの都市交通の現況。第に、マストランジットの必要性と役割。HCMCでのマストランジットの機能は何であるか?何が、阻害要因で、何が機会であるのか。第三に、持続可能な開発のためのアプローチである。持続可能な開発とは、一路線の整備ではなく、社会的、経済的、また環境面で持続可能なネットワークの整備である。最後に、次のステップが何であるか提言したい。
都市の交通問題は何であるか?それは渋滞である。平均走行速度が込み合ったコリドーでは、14km/hにまで落ちている。オートバイが関連している交通事故の増加も問題である。統計的には、交通事故の76%にオートバイが関与している。死亡事故の73%はオートバイを伴っている。大気汚染度や騒音等の公害も増加している。駐車場も同じく問題である。特に、劣悪な公共交通がHCMCでの都市交通に影響を与えていた。経済的損失は多大で、市のGDPの数パーセントに及ぶこともあろう。交通安全率も減少し、人々の健康にまで影響を与え、アメニティーと快適さは減少した。効率的な土地利用も交通問題に阻害されている。
これらの理由により、都市としての競争力や能力は、著しく減退している。この現象は、特にオートバイを購入する余裕がない貧困層へ影響を与える。交通問題の元の原因は何にあるのであろうか?もちろん、それは交通インフラ整備にある。多くの他の都市と同様、HCMCは道路や他の交通インフラが全く欠如している。
将来の需要に関して言えば、個人所得の増加に伴い、交通量の増加が予測され、更に、個人のオートバイや自動車の所有台数が増加するであろう。一人一日あたりのトリップ数は、1.8と比較される1.7である。
車両交通が増加するため、道路での交通渋滞が加速するであろう。オートバイの平均台数は減少するであろう。現在HCMCで、しばしば、オートバイの3〜4人乗りを見かける。この傾向が将来継続するとは考えられない。オートバイの一人乗りが増加し、オートバイのトリップ数は増加するであろう。そして、自家用車への移行は加速され、更に渋滞が悪化するであろう。