図4に示したとおり、トンネル内の軌道は地上部分の軌道に使われるものと異なる。ここではツインブロックのコンクリート枕木がゴムブーツに入れて、最終的に平らなコンクリート道床に設置されるからである。弾力性のある軌道を維持するため、マイクロセルラーパッド(厚さ1cm)が枕木の底部の下のゴムブーツの中に設置される。トンネル外の地上部分の軌道はバラスト道床を用いる。
その他の部分(レール・締め金具)などは、地上部分の軌道に使われるものと同じである。トンネルの内外の主軌道で使われる分岐器は1/8で、軌道レールに溶接されたマンガンフロッグが付き、木製の枕木に固定される。
2.2.2 電力供給システム
2号線の電力供給には重量40kg/mの第三レール(電力レール)タイプSTR40が使われる。4本のねじで枕木に固定された絶縁体の上に設置される。電力レールは18mごとに溶接され、GRP保護カバーで覆われる。
2.3 大カイロ圏地下鉄網3号線インババ〜ダラサ間
1973年に実施された調査結果に述べられたとおり、インババ〜ダラサまでの全長8.5kmが提案されている。現在までのところこの路線の着工に関しては決定されておらず、検討中である。
3. イル アズハル道路トンネルプロジェクト
現在新しく建設された地下鉄線で得られた経験を生かした、地下プロジェクトが計画されている。目的は歴史的なイスラム市街地の地下を通り抜けることである。カイロのファーティマ朝地区の歴史は10世紀まで遡り、ハーン イル ハリーリやスパイス市場など有名な地区を含むエジプトでも最も人気のある主要市場の一つである。また、モスクや歴史的建造物など建築文化財も多い。そこで自動車やバスの往来を促進する目的で、サラフ サリーム通りから空港と市中心部を結んでアタバ広場まで、約2倍の全長2.7kmの地下連絡道を建設することが決定された。
3.1 地下構造物の制限
契約書の基本となるのは既存の大通りの下の地下トンネルという概念である。この方法により周辺の構造物への障害を最小限にとどめ、土地の収用を少なくできる。また、地上の道路からの直接的なアクセスも可能になる。