但し、事業用車両の車検は年1回であり、これは周辺諸国3と比較し頻度が低い。
最近の動きとして、シートベルト法、エア・クオリティ・アクト(AQA)(それぞれ、5.7節、5.9節で後述)への対応が各バス事業者で急務となっている。特に、AQAに対応するために、バス事業者を中心とする公共交通事業者はTOCA(Transport Organization for Clean Air)と称する団体を設立した(TOCAに関しては、5.9参照)。
California Bus Line(CBL)
1955年創業、所有車両数173台の大手。主に、エアコンバスを営業しているが、工場バス、スクールバスなどのチャータ営業も多い。26段階に及ぶ車両メンテナンスマニュアル4を独自に作成し、定期的な車両整備を実現している。また、バスの近代化に熱心で、自動料金箱・ゾーン料金制の導入、ワンマン運行の実施している。その他に、運転手用の運行マニュアルの整備、運転手教育、応急処置講習なども実施している。
(3) ターミナル施設・バス停
●ターミナル施設
メトロマニラのバス参入規制では、フランチャイズを申請する事業者は、その申請路線の始点・終点にバスターミナル施設を設置しなければならない、と規定5されている。このため、バスターミナルは全て民間により整備される6。
●バス停
バス停は道路インフラの一部として位置づけられており、Department of Public Works and Highway(DPWH)が整備を担当する。バス停はEDSA沿線の26地点(往復52地点)に設置されている。
EDSA沿線は営業車両数が多く、また、客待ちのバスが二重、三重になって並ぶため、一般車両の妨害となり渋滞の主要因と見られてきた。この状況を改善するため、ハード・ソフトの両面から対策が実施されている。
ソフト対策の一つとして、BSS(Bus Segregation System;バス停分離案)という交通管理施策が1990年に提案された。その後、改良が加えられMBSS(Modified BSS)が実施された。BSSはバスを幾つかのグループに分割し、各グループで停車できるバス停を制限するものである。これにより、これまで全てのバス停に止まる営業形態が制限され、バス停でのバスの飽和を抑制することになる。
3 タイ、マレーシア、インドネシア、ラオスでは半年に1回。
4 工程数が26段階。各工程に作業管理者が明記されている。
5 この規定事項は、政府の公共交通優遇策により緩和され、必ず始点、終点でなくても認められるようになった。
6 例外として、郊外行きのバス(Provincial Bus)ターミナルは行政が関与する場合がある。