日本財団 図書館


●車両導入、管理

メトロマニラでは1998年あたりまで、日本の中古バス車両が塗装を塗り替えないまま営業する状況が多々見られたが、現状では見掛けることができない。この背景として以下のことが考えられる。

・日本の中古車両価格が高く、現在の経営状況では更新対象としてペイしないため。

・日本の一般的な市内路線バス車両がマニラの道路状況に耐えられない構造であるので、業者から好まれなくなっているため。

・部品価格の高騰から、韓国メーカーの新車、中古車にシフトしているため。

・バス車両を自ら生産する、もしくは、車体全体を更新できるバス事業者がいて、関税のかかる海外の中古車両より人気があるため。

HR Transit

約100台の車両を所有し、EDSAで主にレギュラーバス(エアコン無し)を運行している中堅バス会社。メトロマニラのバス業界で、車両コストを抑えた経営形態が注目されている。

バスの調達は日本から中古車両の輸入に頼っていたが、現在では、初期コストを削減するために、シャシーとエンジンだけ韓国から輸入し、車両組み立てを独自向上で行っている。

コストの違いを比較すると、日本からの輸入には関税を含めて約600万円かかる。また、日本のバス車両は強度が低い1ため、補強のための追加費用がかかる。一方で、自社工場の組み立てならば初期費用は約300万円弱で、マニラの道路状況に合わせて軽量化・補強しているため維持費用も安い。特に、レギュラーバスの営業純益は、約5万円(月・台あたり)であるため、日本の中古車では単純計算でも償却まで10年かかる。

●ダイヤ編成、路線設定

フランチャイズ申請をする際に営業予定路線を示す必要があるが、ごく単純なものであり、路線名と主要経由地を示せば良い2。また、ダイヤ・頻度は申請する必要はない。

●車両メンテナンス

メトロマニラのバス参入規制は、フランチャイズ申請時にメンテナンスのためのガレージ施設を設置しなければならない、と規定している。車両の整備レベルに関する規定は特に無く、事業者の裁量に任せられているが、California Bus Line社のように体系化した維持管理を実施している所もある。

 

1 特にリアのオーバーハング部が弱く、リア・エンジンの重みでシャシーが折れてしまう。

2 東京を例に取れば、「明治通り、池袋・新宿・渋谷」程度。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION