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日本の運輸省、日本財団およびその他の組織の協力の下に、交通インフラの分野における調査研究を指揮しております。ミャンマーにおいては、JTCAは既に運輸分野において貢献しております。たとえば、JTCAはYCDC、運輸省および鉄道運輸省などから要人の日本への招聘を実施しております。また、日本の専門家をミャンマー鉄道に派遣しております。

このセミナーの主題は、ヤンゴン市の都市計画における公共交通の開発ということであります。急速なモータリゼーションの進展がバンコク、マニラおよびその他の東南ジアの主要都市において認められております。その否定的な結果として、大気汚染や交通渋滞などが深刻な杜会問題となっております。ミャンマーにおきましても、自動車の数は年々増加しております。そして、大気汚染の兆候も認められております。ヤンゴン市内のいくつかのエリアにおける深刻な交通渋滞による経済的損失も無視できない状態にあります。しかしながら、幸運にも現在のところのヤンゴン市における状況は、それほど深刻なものではありません。したがいまして、深刻になる前の今のうちに、積極的な対策を取るための公共交通を組織立てる計画つくることが非常に重要かつ有益なことであると言えます。

1992年に日本政府が採用した政府開発援助(ODA)憲章では、基本的なコンセプトとして地球規模の環境保護を盛り込んでおります。それは、環境問題に非常に重点を置いたものであり、環境保護と経済開発の両方に直接的に努力が払われるという基本的な原則が強調されております。ODA憲章が採択されたのと同じ年の1992年にリオデジャネイロで開催された地球サミットにおいて、日本政府はODA憲章を広め、ODAにより環境に関するプロジェクト分野での協力を強化することを発表しました。さらに、1993年12月に京都において開催された気候変化に関する国連環境会議において、日本はいわゆる京都提案を行いました。それには、発展途上国における温暖化問題に関する人的資源開発への協力を含んでおります。日本政府は、1999年に初めて環境問題に関するJICAの専門家をミャンマーに派遣しました。現在ももう一人の環境保護政策の専門家がミャンマーの国家環境委員会に派遣されております。環境問題は日本経済協力の重要な主題のひとつになっております。そして、われわれは環境問題の改善に対する支援を継続して行くことを意図しております。

後2ヶ月で次の世紀の到来となりますが、私はこのセミナーが、ヤンゴン市のきれいで健康的なそして美しい環境を次世代の人々に引き渡せるように、大いなる貢献ができることを確信しております。そして、このセミナーを開催していただいた皆様方に感謝の意を表したいと思います。また、このセミナーが必ずや成功することを願っております。

ご清聴ありがとうございました。

 

(3) 主催者挨拶 山下理事長、社団法人 海外運輸協力協会

ヤンゴン市U Kyi Win書記、在ミャンマー日本大使館津守大使、並びにお集まりの皆様、今回、ヤンゴン市の都市公共交通整備セミナーを開催するにあたり、JTCAを代表してセミナー参加者の皆様に対する歓迎の意を表す機会が持てたことを非常に喜ばしく思います。

JTCAはミャンマーにおいて初めてセミナーを開催いたしますので、参加者の皆様はおそらく私どもの協会をご存知でないことと思います。少しJTCAの紹介をするお時間を頂きたいと思います。JTCAは1973年に開発途上国との国際協力を推進する目的で設立され、現在、運輸部門におけるコンサルティング活動に関する71の会員の企業と団体によって構成されています。

JTCAは日本運輸省の方針の下に、運輸分野の国際協力を推進する事業を行っています。また、JTCAの事業活動に対する資金に関しましては、主として日本政府や日本財団からの補助金で賄われております。JTCA会員はJICAや外国政府との契約に基づき、フィージビィティスタディーや設計・施工管理などのコンサルティングを行っております。

JTCAの活動は主に2種類に分けられます。第1は、政府の補助金を利用して国際協力促進に従事する会員のコンサルタント会社を支援することです。

 

 

 

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