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3.1.3 最大滞留時間

避難者が歩行を止めて待たされる、または、歩行速度を落とさざるを得なくなる現象を「滞留」と呼ぶ。ある場所を原因として各避難者が滞留する時間の最大値を、当該場所の最大滞留時間と呼ぶ。滞留している避難者の人数(時間の関数)の最大値を最大滞留人数とすれば、最大滞留時間と最大滞留人数の関係は次の式で表せる。

最大滞留時間=最大滞留人数/当該場所の単位時間当たりの最大通過人数

ここで、当該場所の単位時間当たりの最大通過人数は、流出係数と当該場所の幅の積である。最大滞留時間は、混雑の程度の評価指標である。評価において最大滞留時間に上限を設けることは、パニック防止の観点から、極端な混雑を排除することに相当する。

(注)「ある場所を原因として滞留している避難者の人数」は、あるノードを先端として列をなしている人数で決定できる。あるノード(ノードA)の滞留を考慮する場合、ノードAの上流(避難開始地点に近い方)に他のノード(ノードB)があり、ノードBの後ろに、ノードAを原因とする滞留があれば、ノードBの上流に形成されている滞留の人数も、ノードAの滞留人数に含める。

 

3.2 避難者の初期配置及び避難の開始

A.757(18)に準拠し、全ての避難経路解析シナリオについて、昼パターンと夜パターンの両方について解析する。避難者として、高齢者・身障者等の移動制約者は考慮しない。全員が同時に避難(移動)を開始するものとする。

 

3.3 歩行速度・流出係数

3.3.1 基本歩行速度・基本流出係数

船舶がEven-keel且つUprightであって、縁材が無い場合の歩行速度及び流出係数を、それぞれ基本歩行速度及び基本流出係数と呼ぶ。基本歩行速度、流出速度及び計算で最大人密度を用いる場合の数値は、表1の通りとする。

 

表1 基本歩行速度、基本流出係数、最大人密度

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