6.5 一般配置
1] 「超高速ビジネスフェリー」
基本的な一般配置は、Fig.3、4に示すように、V型高速ディーゼル機関と発電機(各9基×2)を主船体の第3車両甲板と甲板底との間の両舷側部に、また、電動機(6基×2)は左右の没水体内に、それぞれ左右2系統に分離して配置し、第3車両甲板と甲板底との間の両舷側部の前部と後部に4つの燃料タンクを設け、没水体の前部とストラットの前部と後部とにそれぞれバラストタンクを設ける。
一方、主船体の最上層には、船首から操縦室及び乗組員室、客室を設け、以下、第1車両甲板室、第2車両甲板室および第3車両甲板室を設ける。なお、車両搭載後のトリムとヒールの調整は自動バラスト調整により迅速におこなえるようにすればよいが、前部と後部の両舷側部に分離して配置した燃料タンク内の燃料油をバラスト調整の補助として用いることができよう。
Fig.8に示す各車両甲板室の後部には、それぞれ2つのランプゲイト(一方は乗船用、他方は降船用)を設ける。第1車両甲板室(Fig.8(a)参照)は有効高さ2.4mで、普通車(5m、3t換算)を197台、第2車両甲板室(Fig.8(b)参照)は有効高さ2.6mで、普通車(5m、3t換算)を208台、第3車両甲板室(Fig.8(c)参照)は有効高さ2.8mで、普通車(5m、3t換算)を224台、それぞれ収納可能とする。
最上層には3,500m2程度の旅客収容スペース(高さ2.4m)を確保し、旅客1,500名(一等50名、特別二等300名、二等1,150名)を収容できるようにし、その旅客設備は機能本位として簡素化し、二等席はリクライニング式の椅子座席とし、特別二等席には簡易な事務ができる程度の備品を設ける。