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第4表 フル・コンテナ船の船型の推移

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資料:日本造船学会誌'88年7月“コンテナ船の現状と将来(NYK:上江州氏・三菱重工:愛川氏)”などをベースに、各種資料を参考にして筆者が作成

 

・とくに、5,000TEUから7,000TEUの超大型コンテナ船の就航は、従来の中型コンテナ船をその航路から転配あるいは解撤しない限り、船腹需給で過剰が顕在化することも考えられる。

・問題は、超大型コンテナ船の就航によって、一定期間内に、超大型コンテナ船のスペースを埋めるのに必要なコンテナ貨物量の集荷が十分できないのではないかということである。この事は、超大型コンテナ船のスケールメリットを十分享受できない事を意味する。

 

4. コンテナ港の設備大型化

コンテナ船業界が、船型の超大型化を促進するためには、出入港の対象となる港湾も、需要に応じて、関連設備の能力拡大のために投資をする必要がある。

とくに、13,000TEU型の超々大型コンテナ船ともなると、コンテナ・クレーンのアウトリーチは、約63m、吊り上げ高さは約40mを要求されている。加えて、従来の最大6,000個であった超大型コンテナ船に比べ1隻のコンテナの取扱量は約2倍以上にもなるため、荷役時間の関係から、クレーンの捲きあげ速度もかなり高速化しなければならない(計画40 TEU/時間×5基のクレーン)。このように、13,000 TEU型のコンテナ船を受入れるためには、改めて、かなりの港湾設備への多額投資を必要とするのである。

そして、既に、4,000 TEU以上の大型コンテナ船が多数就航している現在、大型コンテナ船が、21世紀に向けて、さらに増加する事を考慮して、世界全体では、1998年現在、水深15m以上のコンテナ船用のバースを持つ港は、11カ国の15港あり、バース数は、70である。この内、日本の港湾で水深14m以上のコンテナの専用バースがあるのは、神戸、横浜の2港のみである。

 

 

 

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