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その結果、2000年6月時点の手持工事量から見ると2000年には、4,000TEU型以上が、53隻、さらに2001年には53隻、2002年には81隻、合計187隻も建造されるため、コンテナ船の大型化が如何に急激に進展しているかが明らかであろう。そして、この大型船のうち、5,000TEU型以上は約133隻で約71%を占めている。

この様に、世界のコンテナ船の建造量は、1990年代に入って、大型コンテナ船を中心に増大しており、年間竣工量は、TEUベースで、1990年の約134千TEUから、1998年には、約523千TEUへと、過去8年間に年平均伸び率が約19%で、世界のコンテナの港湾取扱量の年平均伸び9%と較べ異常に高い伸びで増加している。そして、1999年の竣工量は、131隻、約265千TEUに減少したが2000年代には更に増加の傾向がみられる。

すなわち、コンテナ船の今後の建造量は、現在の手持工事量から推算すると、2000年に約521千TEU、2001年は約534TEU、2002年には、約514TEUと依然として増加している。とくに4,000TEU型以上のPost Panamaxを主体とする近年の大幅なコンテナ船の建造量増大は、全てが実需とは言い難く、航路によっては、船腹過剰をもたらす懸念が大きい。そのため、2003年以降、コンテナ船の建造量は、その反動もあり、過去数年間の傾向とは異なり急減するものと予測される。(第3表、第2図、参照)

 

(2) コンテナ船の船型の推移

1960年代後半から、フル・コンテナ船として、世界の海運の中で、革新的海上輸送として脚光を浴び始めたコンテナ船は、当初700TEU積載の船型であった。そして、1970年代を通じてコンテナ輸送が、従来の一般貨物船に替わって、重要な海上物流方式の船種となるにつれて、船型も、2,000、3,000、4,000TEU型へと大型化した。

 

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第2図 世界のコンテナ船の竣工量推移

 

第3表 コンテナ船の船型別竣工隻数の推移

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資料:1999年までCLARKSON "THE CONTAINERSHIP REGISTER"(1999年)

 

 

 

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