SR243 スーパーシャロードラフト船の船型開発の研究(継続)
世界の海上物流は大きく変りつつあり、東アジア地域を中心とした飛躍的な伸びから、同地域の浅喫水港湾に入港可能な、経済性に優れた新船型を求める動向が海運界などにある。この動向に対応するには、従来から建造されている船型の領域を超えた、浅喫水で画期的に載貨重量を大きくした新船型の開発が望まれている。本研究では、そのような船型を開発するための技術の構築を行い、新規需要船型創出の基盤固めを行うことを目的としている。
3ヵ年研究の初年度である平成11年度の主な研究成果は以下の通りである。
(1) 1軸/2軸スーパーシャロードラフト船の船型と主要性能に関する研究
世界の主要港の港湾条件を調査し、東アジア地域を主たる対象に、運航可能港湾数の調査から、計画喫水を10.5mと設定し、スーパーシャロードラフト船として載貨重量94,000トンの1軸船及び98,000トンの2軸船につき、それぞれ船型設計を行った(付表参照)。基本性能の実験的把握と流体力学理論に基づく性能推定法による評価を行い、1軸船と2軸船の性能差や、それぞれの特性に関する新たな知見を得た。