b. 船体関係システムの開発
耐航性監視、耐航性管理システムについての機能要件を検討、それを基に耐航性監視システムの設計、試作を行ない、航海監視DB・航海管理DB(全体システムの所掌)との相互の接続を図り、SBSとしての試験運用を実施、確認した。
c. 機関関係システムの開発
機関運転管理・監視システム(船陸)、機関保全管理・保全作業システム(船陸)について機能要件を検討し両システムの役割分担、機能配分の検討を行った
d. 船装関係システムの開発
防災監視システム関連の基礎技術、特に監視センサー(監視カメラ、熱監視カメラ、漏油検知装置等)の調査・検証・能力検討、並びに新防災管理システムの設計を行った。
SR241 舶用EGR等NOx防止システムの研究(継続)
1. 研究目的
第241研究部会では、MARPOL 73/78附属書VI「船舶からの大気汚染防止のための規則」のうち第13規則(NOx規制)に焦点を当て、
1) 本規則の実運用において混乱を招く問題点を抽出してその解決策を探る。
2) 将来を見据えた大気汚染物質の排出規制に対する技術開発を行う。
ことを目的として二カ年計画で取り組んだ。
2. 研究成果(中間報告)
2.1 大気汚染防止運用システムの調査研究
1) 本研究に参加している各メンバーの意見を取り入れ、「附属書VI」および「テクニカルコード」に規定されているテクニカルファイル等の書類の統一案を作成した。
2) 「附属書VI」および「テクニカルコード」に規定されている方法に従ってNOx鑑定シミュレーションを実施し、問題点等を抽出した。特に、船上検査シミュレーションについては、恐らく世界に例を見ないものである。
3) 関連団体・企業74団体に対し本規則実運用に関するアンケートを実施し、NOx規制への適合証明を得る為の具体的な手順等に関し、解決すべき問題があることが解った。
4) 欧州の船級協会、機関メーカ、船社を訪問し、本規則の運用に拘わる欧州の動向を調査した。予想に反し欧州では運用方法への関心度が低く、書式や手順等の統一の必要性については否定的な意見が多くみられた。
2.2 EGRシステムの舶用化研究
NOx低減対策の中でもCO2増加のペナルティが少なく、且つ、経済性・安全性に優れているEGR(排ガス再循環:Exhaust Gas Recirculation)手法を舶用機関にて実用化することを目的に実施する。EGR手法のネックとされている排ガスの浄化には、舶用機器として実績のあるIGSスクラバーを用いてシステムを構築した。
1) IGSスクラバーの舶用機関排ガスに対する浄化効率を実験により調べた。
a) SOx浄化効率は90%、水滴除去率は100%であった。
b) ばいじん浄化効率は20%以下で、専用エレメントを用いる等改善が必要である。
2) 実験機関を用いてEGRによるNOx低減効果と、舶用機関排ガス浄化に対するスクラバーの効果を調べた。
a) EGR率22〜23%でNOx低減率は50%であった。
b) スクラバーのばいじん除去率は低いものの、機関に再循環させる排ガスをスクラバーに通した方が通さない場合よりピストンリング摩耗量が少ないことが確認された。