(3) 表面処理法
計測精度向上策について検討した上で、塗膜摩擦抵抗計測用の回転円筒試験装置を設計・製作した。種々の自己研磨型塗膜と撥水性塗膜について、初期状態の摩擦抵抗計渕を実施し、研磨性能、防汚性能などの調査に着手した。弾性皮膜を試作して抵抗試験を行うとともに、抵抗低減メカニズム解明のために乱動計測などを実施し、剛体平板との差を出した。
(4) 実船試験の実施計画
供試船候補を洗い出し、マイクロバブル法については航海訓練所の「青雲丸」を、空気膜法については大型模型船「だいおう」を選定し、表面処理法についてはこれらの何れかを想定して計画を進めることとした。上記3つの抵抗低減法の効果を実証するために必要な項目の計測法について検討し、基本となる項目について計測装置の計画を行った。
次年度は、詳細日程の計画、実験工事費用の算定などに進むとともに、計測装置については水槽実験ないし小型船舶による海上予備実験を行って、実船計測の事前検討を行う。
SR240 新しいフリートサポートシステムの開発(継続)
1. 目的
本研究は、平成11年度から3ヶ年計画で実施している「新しいフリートサポートシステムの開発」の初年度にあたる。研究の目的は、時代を先取りした安全運航管理システムの構築、ならびにSMS(Safety Management System)に適した機器・システム等を開発することにある。今年度は、フリートサポートシステムにおける全体システムの開発と、各サブシステムの設計、試作、実用化に向けた試験運用実施を行なった。
2. 実施内容
(1) 全体システム(先進的船舶運航TQMシステム)の開発
a. 全体システムの開発調査
FSSシステムモデル、PDCA基本モデルを整理した。あわせて、各システムの入出力項目を整理し、FSSの基本となる合理的なデータベースの構築、各データベース間のデータのやりとりについてダミー運用を実施した。
b. 安全評価システムに関する調査
安全評価のためのチェック項目体系を構築し、安全評価チェックリストを作成した。
(2) 各基幹システムの開発
a. 航海関係システムの開発
船舶に搭載される航海監視システム、航海管理システムの設計と試作を行ない、SBS(航海関係システム)としての試験運用を実施、確認した。