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今後は、船殻3次元CADと「弾性FEM解析溶接変形予測法」及び「工作精度評価システム」を結合させ、高精度船殻工作技術・渠中搭載技術の向上、作業の効率化等に役立てられる事を望む。本研究成果は今後更に発展させ実用化する事により、品質・建造コスト・納期の面で飛躍的な向上が図れ、我が国造船業界の国際競争力の維持・強化に大きく貢献する事が期待出来る。

 

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図3 多電極ガスシールドアーク高速溶接継手形成状況

 

SR239 船舶の摩擦抵抗低減法に関する研究(継続)

 

本研究は、咋年度から本格的に船舶の摩擦抵抗の低減に取り組んでいるものであり、有効性と実用性の両面から船舶への適用性が高いと考えられる摩擦抵抗低減方法として、(1)マイクロバブル法、(2)空気膜法、(3)表面処理法、を採り上げて、現状分析、模型実験や数値計算による諸調査、実用的な実船性能推定法の構築を行っており、最終年度に実船実験を実施して実地検証を行う計画である。

本年は4ヶ年計画の第二年度で、、下記(1)〜(4)のように本格的な調査研究を開始して所期の結果が得られつつあり、それを踏まえて次年度以降の計画を固めた。なお、(2)〜(4)については本年が実質的初年度であり、次年度も本年の検討内容を展開・継続する。

(1) マイクロバブル法

乱流境界層の構造と海水影響に関する調査、曲率、圧力勾配および横断面内傾斜の影響調査、下図に示すような長さ50mの大型模型を用いた実験による尺度影響調査にて、船体表面の摩擦抵抗低減効果推定に必要な基礎データを収集し、それらデータならびに既存データの整理統合に着手して、摩擦抵抗低減効果を推定するための流力モデルについて検討した。

次年度は、尺度影響調査を継続してデータの充実をはかるとともに、本年度の流力モデルの三次元曲面への適用を図り、実船における抵抗低減量の推定法構築を目指す。

 

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(2) 空気膜法

高速回流水槽における空気膜安定保持デバイスに関する調査、その結果から選定した最適デバイスを装備した大型模型船の曳航実験を実施して、空気膜観測と抵抗低減効果を計測するとともに、より効果的なデバイスの考案を目指しCFDによる二相流解析を試みた。

 

 

 

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