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バタム島及びその周辺諸島の産業発展は、1945年の独立以降のインドネシア経済発展の歴史の中で独特である。

バタム島はシンガポールの南20kmに位置しているが、1969年までは常に少数の人口(1万人未満)を有するスマトラ島リアウ州の無名の島であった。また、経済活動も伝統的な漁業と農業に限られていた。

しかしながら、その後30年という比較的短期間で、バタム島は陸上・海上・空路輸送、住宅、電気、通信・水道・公共開発等の近代的なインフラストラクチャーを有する近代的な輸出志向の産業及び観光都市へと移行した。

現在は数百の国内外国の製造業者及びサービス業者がバタムで活動している。1999年末までの統計値を見るとバタム島の発展状況がわかる。労働者数はほぼ0人から約15万人に増加し、輸出総額はほぼ0米ドルから480万米ドルに増加し、船舶の寄港数は96,425回に達した。

1969年にはバタム地域が造船業を持つということは想像できなかったが、現在は20ヶ所の造船所がバタム地域で容積65,000までの各種船舶の建造及び修繕に携わっている。

バタム島開発の成功は、優れた計画、一貫した政策、勤労及び幸運の組み合わせによるものと考えられる。バタム島の発展は、1967年の外国投資法の施行、1970年代の沖合い石油及びガス探索ブームと同時期であり、また、バタム島の戦略的な位置にも起因している。

本報告書はJETROシンガポールの協力を得て作成したものであり、IPERINDOから感謝を表明したい。

 

 

 

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