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こうした中、オーストラリア政府は、従来の補助金制度を徐々に廃止し、研究開発などへの援助に切り替えつつある。今後は、規模の経済性もしくは連続生産が達成でき、マーケティング力のある企業が優位にたつことになる。また、高速船の大型化も進んでおり、その結果、船舶の材料も重要なポイントとなる。鋼鉄より強固でアルミニウムより軽い材料の研究開発も行われている。

オーストラリアの造船所による2000年の高速船引渡し数は11隻で、1999年の17隻を下回ったが、2000年は世界的に引渡し数が少なく、1999年の57隻に比べて42隻と落ち込んだためである。いずれにしても、オーストラリアの高速船引渡し数は世界の隻数ベースで世界のトップである。表3-13に高速船の主要生産国別建造数を示す。

 

表3-13 高速船の国別建造隻数

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出所:Fast Ferry International社の2000年1-2月号、2001年1-2月号より作成

 

さらに、オーストラリアの造船所による2000年の高速船引渡し実績リストを表3-14に示す。

 

表3-14 オーストラリア造船所による高速船引渡し隻数実績(2000年)

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出所:Fast Ferry International社の2000年1-2月号より作成

 

カタマランとモノハル(monohulls)タイプの比較優位性については、業界でも意見が分かれている。オーストラリアで製造しているのは、主にアルミニウム製のカタマランである。アルミニウムの漁船やヨットの建造からスタートし、小型フェリーの製造に参入している企業が多い。

 

 

 

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