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外航海運に従事する会社数に比べて、MARINAに登録された外航海運船舶の隻数が極めて少ないが、これは海外との貿易による海上輸送のほとんどが外国の船会社により賄われていることを意味する。この原因には、国内の外航海運会社が不定期航路を中心に運営していることの他に、外航海運会社による外国籍船の裸傭船を制限するために導入された1990年の覚書命令(MC33-A)により最低払込資本金が7百万ペソに引き上げられたことや船齢に上限が設けられたことなどがあげられる。表2-11に資本金ベースで外航海運会社上位10社のリストを示す。

 

表2-11 フィリピンの外航海運会社上位10社(資本金ベース)

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出所:MARINA (Maritime Industry Authority)

 

2-2 港湾

 

2-2-1 フィリピン港湾の概要

 

フィリピンの港湾は、整備主体別にフィリピン港湾局(Philippine Ports Authority: PPA)、セブ港湾局(Cebu Port Authority: CPA)、運輸通信省傘下の地方港湾(以上、公共港湾と呼ぶ)、民間企業の私有港湾、農業省傘下の漁業開発庁(Philippine Fisheries Develoment Authority: PFDA)が管轄する漁港から成っており、その数は全体で1,000港に及ぶ。

公共港湾は、フィリピン港湾局が管轄する20の基幹港、101のターミナル港、セブ港湾局が管轄するセブ港、7つのターミナル、運輸通信省が管轄する小規模な地方港湾から構成される。建設、運営、管理については運輸通信省が取り仕切っているが、港湾が完成した後は地方公営港については地方自治体、漁港については農業省傘下の漁業開発庁にその運営が移管されている。

問題点としては、マニラ首都圏を中心に商業港の絶対数が足りず、待機時間が長いこと、地方の小規模港の設備が脆弱で近代化が遅れていることなどである。そこで政府は外国の援助を活用して基幹港の拡張・補修や近代化をはかっている。

 

 

 

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