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また、品目別内訳について、1999年の統計から分析すると、世界的なITブームによる需要増を受け、電子部品の1999年の年間輸出高は253億4,300万米ドルに達し、前年対比27.5%と大きく伸びた。これにより、電子部品の輸出に占めるシェアは98年の67.4%から99年には72.3%を拡大している。とくに半導体関連部品は輸出全体の6割近くを占め、99年は伸び率26.9%と輸出をけん引している。衣類、食品類など伝統的な輸出品目は、人件費の上昇などにより、競争力が低下し、輸出は前年比でマイナスを記録している。

一方、品目別輸入では、輸出と同様、電気・電子機器・同部品が最大の輸入品目で、輸入に占めるシェアは4割以上に上る。特にIC部品、半導体チップなど電子部品が輸入の中心で、部品を輸入し、国内で組み当て、輸出するという貿易構造が明確にあらわれている。表2-3にフィリピンの主要品目別輸出入を示す。

 

表2-3 フィリピンの主要品目別輸出入

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出所:貿易産業省

出典:ジェトロ貿易白書

 

貿易相手国別では、輸出先は米国が113億5,800万米ドルで、輸出総額の約30%を占め、引き続きトップである。続いて日本は56億700万米ドルで、対前年比20.2%を大きな伸びを示した。一方、輸入では、米国からの輸入が53億2,000万米ドルと16.4%と落ち込み、日本が首位にたったが、日本からの輸入も60億2,700万米ドルと、対前年比1.8%の微減である。輸入が大幅伸びたのは、シンガポール、台湾、マレーシアである。これは、フィリピンで電子部品や製品の組み立てに使う部品類の調達先が、日本や米国から、価格競争力の高いこれらの国にシフトしていることが背景にあると考えられる。表2-4にフィリピンの主要国・地域別輸出入を示す。

 

 

 

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