これまでの経済社会開発により、経済及び基礎社会サービスの恩恵をより多くの人が受けることができるようになった。1994年までに村落の約97.7%に電力が供給されており、多くの村落が清潔な飲料水も利用することができる。県、市区等を結ぶ道路網は、全体で210,025kmに広がっている。更に、公衆衛生の改善により、平均寿命が大幅に延び、1990年の63歳から1997年には70歳になった7。
2.3 経済成長
タイの経済は、1980年代半ばから10年以上にわたり高度成長していたが、1996年に調整の期間に入り、GDP成長率は5.5%に減速した。アジアの経済危機の結果、1997年及び1998年に状況は悪化した。GDP成長率は1999年の第1四半期からプラスに転じ、1998年の第1四半期と比較して0.9%上昇した。1999年の第2四半期は3.3%、第3四半期は7.7%まで上昇した(表2.5-1)。
表2.3-1は1996年〜1999年のGDPの実質成長率及び2000年〜2002年の予測を示している。
注:e-予想、p-計画
出典:National Economic and Social Development Board as of May 2000
TDRI Base Projections August 15,2000
1985年から1994年の間の一人当たりGNPは、年平均8.2%の伸び率で、世界最高の成長率であった。1990年から1996年の間に一人当たりGNPは、2倍以上となった8。しかしながら、1997年7月のタイ中央銀行のバーツの変動相場移行政策に伴うバーツの急落及び経済成長の減速により、1998年には一人当たり1,831米ドルまで下落した。また、表2.3-2からは、1999年には改善されたことがわかる。
7 Eighth National Economic and Social Development Plan
8 NationaI Economic and Social Development Board