USCGが本調査を実施した目的は、下記のとおりである。
* USCGカッターがCAAAに適合するかどうかの検証
* NOx、SOx、HC及びPMの定量的測定と煙の不透明度の測定
* CO2及びO2レベルのモニター
* 5出力段階で2基のディーゼルエンジンを同時運転した場合の排ガス量の測定
* 5出力段階で2基のガスタービンを同時運転した場合の排ガス量の測定(注:378フィートWHECはディーゼル2基、ガスタービン2基駆動)
* USCGカッターのCARB規制地域の排ガスデータの更新
* 測定結果を基に、USCGカッターの排ガス減少のための基本方針の設定
米国において舶用エンジンからの排ガスが陸上に及ぼす影響について調査したプロジェクトとしては、EPAが海軍、カリフォルニア州、ロングビーチ港湾局、南カリフォルニア商船協会、太平洋商船協会等の協力を得て、南カリフォルニア沿岸地域において船舶から排出した擬似ガス(トレーサー)が陸上に設けられた観測点群にどのような天候条件でどのくらい到達し、その分布はどうであったか等を調査した“Tracer Dispersion Study of Shipping Emission”がある(参考資料12)。
本プロジェクトは、1997年6月に関係者間でサインされ、総額395千ドルで実施されたもので、その目標は下記のとおりであった。
* 南カリフォルニア地域で、現行航路からの舶用エンジンの排ガスが陸上に及ぼす科学的データを集積し、立法者に提供し、必要あれば航路変更実施の資料とする。
* 現在の天候モデルを確認するデータを提供する。
* できる限り、北米対流圏オゾンの研究戦略枠組みの中の1997年夏の“南カリフォルニアオゾン研究”といった位置付けで研究を進める。
* 本プロジェクトは、下記調査項目より成り立っている。
* 過去のTracer研究の調査
* Tracerの最適量/排出量/排出方法/排出間隔/陸上測定個所等の決定
* 6月15日より10月15日までのTracerの実排出(連続排出、短時間排出、1日2度排出)と陸上測定個所での計測
* Tracer、天候等のデータを用いてTracerの陸上への到達時間、伝達通路/巾等の物理量計算
* 結果の解析とまとめ。陸上測定点は北米対流圏オゾン研究実施中オゾンの観測を続ける。