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焼却炉の灰も含め、洋上廃棄禁止(プラスチック以外は廃棄物の種類によって3、4、12、25、200海里以遠での洋上廃棄)、特殊廃棄物は全て指定業者による陸上処理(限られた特殊廃棄物のみ陸上処理を規定)となっている。

 

以下廃棄物の各項目について、ABCの内容を詳しくみてみる。

*グレー水

グレー水は米国のCWAとIMOで若干定義が異なるが、ギャレー、バス、シャワーやプール水、エアコンの凝縮水までも含んでおり、規則的には港内停泊中でも海上廃棄が認められている。RCCLの定義ではシャワー、シンク、ランドリー、ギャレー、エアコンの凝縮水、サロン排水となっており、その87%は船室のシャワー及びシンクからのものである。これ等のグレー水は一旦ホールディングタンクに集められた後、12海里以遠で洋上廃棄されるか陸上で指定業者が処理する。グレー水の総量は1日1隻当たり平均825トンに達する。

*ブラック水

ブラック水はUSCGにより承認されたMSDで処理すること。RCCLではバイオ型及び化学薬品処理のMSDを使用している。法規的には非処理のブラック水の洋上廃棄は4海里以遠、処理ブラック水の廃棄はどこでも認められているが、RCCLでは処理ブラック水といえども廃棄は12海里以遠とし、オプションとしてホールディングタンクに溜めて陸上で指定業者に処理させている。ブラック水の総量は1日1隻当たり平均80トンとグレー水の1/10である。

*ビルジ油水

一般的に法規的排出基準は15ppmであり、また、排出後水面上に油膜が形成されないことが条件であるが、処理後のビルジ油水といえども洋上廃棄を禁止している区域があるので、州法や地域法に充分の注意が必要である。RCCLでは5ppmまでの処理が可能な油水分離装置(後述)を使用し、12海里以遠で廃棄することを原則としているが、オプションとして陸上で指定業者が処理することもある。ビルジ油水総量は1週間1隻当たり平均70トンである。

*スラッジ

ビルジ油水処理後のスラッジは燃料を濾した後のスラッジ、使用後のオイルや潤滑油とともに陸上処理してリサイクルするか、船上で焼却処理する。法規的には陸上処理であるが、その処理法については特に定めていない。RCCLの場合、99.5%は陸上処理リサイクルであり、船上で焼却されるのはわずかである。船上で焼却されたスラッジの灰は、必ず持ち帰り陸上処理する。スラッジの総量は1週間1隻当たり平均30トンである。

*紙及びプラスチック

ICCLでは食物包装等の購入時、ゴミが最小となる製品あるいはリサイクルが可能な製品、なるべく船上の焼却炉で燃やせる製品等を選択するため徹底的な検討が行われている。紙は船上焼却を基本とする。

 

 

 

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