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タイプIIIは船舶からの排出がないMSDで、システムとしては再循環式、燃焼式、ホールディング式等があるが最も一般的なシステムはホールディング式である。環境に最も優しいのはタイプIIIであるが、この場合陸上基地に充分な処理施設があることが絶対条件である。このため、連邦政府は1992年マリーン製品に課税して陸上ポンプステーション建設基金を設立した。

 

サブチャプター“O”で、MSDについて述べているPart159以外のPartは全て油に関係している。そのうち本報告書と特に関係が深いのは、Part155のビルジ油水に関係する部分である。Part155.380“油水分離装置、ビルジアラーム及びビルジモニター認証基準”の(a)項に米国籍船に搭載するこれらの機器は46CFR162.050に定める規則により承認されたものでなければならないと規定されている。46CFRは舶用機器の全てを網羅した連邦実施規則であるが、160.050は“汚染防止機器”の表題で100ppm油水分離装置、15ppm油水分離装置、貨油モニター、ビルジモニター、ビルジアラームの設計仕様、機器認証に必要な検査、認証検査実施の設備資格取得基準、マーキングの必要事項、認証のための工場検査基準等が示されている。

 

15ppm油水分離装置の設計仕様は、下記のように162.050-21に示されている。

*油水分離装置は、通常の作動位置より22.5°傾斜した位置においても正常に作動すること。

*防爆区画に配置される油水分離装置の電気部品は、UL(Underwriters Laboratories)規格913のクラスI、グループD危険区画内での安全使用を認められるものでなければならない。

*可動部品は、油水分離装置が作動中この部品を動かしても静電気を生じないものであること。

*各油水分離装置は本章のサブチャプターF及びJの規定に適合するものでなければならない。

(注: F: Marine Engineering、J: Electrical Engineering)

*各油水分離装置は、自動及び手動で作動できるものでなければならない。無人区画で運転される自動油水分離装置は、少なくとも24時間連続運転可能であること。

*各油水分離装置は、バルブその他の装置を調整することなく起動できる設計でなければならない。

*摩耗の激しい部品は、メンテナンスのため設置場所でアクセス可能でなければならない。

*油水分離装置は、その機能を果たすため全部あるいは部分的に油水混合液を希釈するような設計であってはならない。

 

 

 

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