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40CFR Part140“舶用衛生装置”で、EPAはまず船舶にMSDを強制しないが、搭載するならばUSCGが33CFR Part159で定める基準に合格するMSDを搭載することを求めている。

これは小型のレクリエーション用ボートや非常に短い区間のフェリーボートを視野に入れた規定であり、MSDがない船からは排出もないので規則の対象外になる。

 

40CFRでEPAが示しているシーウェージの排出基準は下記のとおりである。

*河川・湖等の淡水中にあっては、USCGのMSDは処理、未処理にかかわらず一切の排出を禁止するものでなければならない。

*上記以外の水面においては、USCGのMSDは貯溜、処理、排出のいずれかの機能を持つものでなければならない。排出基準は、1980年1月30日以前は糞便性大腸菌が100ミリリットル中1,000個で目にみえる固体(Suspended Solid: SS)がないこと、1980年1月30日以後は糞便性大腸菌が100ミリリットル中200個、1リットル中150ミリグラム以上のSSがないこと。

ただし、上記基準はUSCGに対する適宜基準(Appropriate Standard)であるとしてUSCGのMSD基準作成に自由度を与えている。

*CWA 312に従って、州は処理、未処理にかかわらず完全排出禁止水面を設定することができる。この場合、州はEPAに対して充分な陸上処理設備を有していることを示す書類とともに排出禁止水面の申請をしなければならない。

 

40CFR Part140を受けた33CFR Part159で、USCGはMSDをタイプI、タイプII及びタイプIIIに分けている。タイプIはPart159の検査基準に従って検査したMSDからの廃水の糞便性大腸菌が100ミリリットル中1,000個で目に見えるSSがないこと、タイプIIは同じ検査基準で糞便性大腸菌が100ミリリットル中200個を超えずSSが1リットル中150ミリグラム以下であること、タイプIIIは処理、不処理にかかわらずシーウェージを船外に排出しないことを条件に設計されたシステムと定義されている。船舶にMSDを搭載する場合は、それ等のMSDは必ずUSCGの認証を受けたタイプIIあるいはタイプIIIのものでなければならないと規定している。タイプIは長さ19.7m(65フィート)以下の小型船のみに許される特殊タイプである。

 

さらに、33FCR Part159で、USCGはタイプI、II及びIIIを備えた船舶が40CFR140でシーウェージの排出を禁止している河川、湖等の淡水域及び完全排出禁止水面に入る場合には排出を不可能とする装置を備えることとし、その装置の詳細を指示している。

要するにタイプI及びタイプIIは種々の方法でシーウェージを処理して排出するという点では同じであるが、その処理程度はタイプIIの方が高いということであり、大部分のタイプIIMSDは化学的、生物学的処理装置あるいは焼却炉と組み合わされて排出に際して塩素その他の消毒剤を用いる高度なMSDである。

 

 

 

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