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CAAは、過去3回大きく改正されている。1977年の改正では、全米の全ての地域にオゾン及びCOに関し、NAAQSを満たすための計画案を1982年までにEPAに提出することが義務づけられた。1990年の改正(Clean Air Act Amendments of 1990: CAAA)では、より広範に改正されている。まず、上記1977年の改正に関連し連邦議会はNAAQSを満たすための具体案の立案件を直接州に与えたために、EPAは各州の見本となる連邦実施規則(Federal Implementation Plan: FIP)を作ることとなった。CAAAでは、その他ガソリン燃料に関する2つのプログラムを発足させている。一つは置換燃料の使用促進を助成する酸化剤燃料プログラム(Oxygenerated Fuels Program: OFP)、他はガソリンの改質を助成するガソリン改質プログラム(Reformulated Gasoline Program: RGP)である。

 

CAA213に基づき、EPAは1994年に非道路用内燃機関(ディーゼル及びガソリンエンジン)に対する排ガス規則の最終規則を公布した。EPAは引き続いて1994年11月に舶用内燃機関の排ガス規制に関する規則提案(Notice of Proposed Rule Making: NPRM)を発表し一般からの意見を求めたが、ディーゼルエンジンに対する規制はMARPOLとのからみもあり時期尚早であるとして取り下げ、結局レクリエーション用ボートエンジンのうち船外機(Out Board Engine: OB)及び水上オートバイ(Personal Watercraft: PWC)の2ストロークスパーク点火(Spark Ignition: SI)ガソリンエンジンからのHC排出を規制する最終規則を1996年10月4日公布した。

また、ディーゼルエンジンについては、1999年12月29日に出力30KW以上シリンダー排気量5リットル以下の商業用エンジンに対する排ガス規制規則が公布された。これ等規則の内容及び適用技術については第6-1節で詳述する。さらに、EPAは2000年11月17日、商業用の大型(19KW以上)SIエンジン、大型及び小型のレクリエーション用非道路陸上SIガソリンエンジン、レクリエーション用舶用ディーゼルエンジン及びSI船内外機/船内機に対する先行規則提案(Advanced NPRM))を発表し一般の意見を求めている。EPAは意見集約後NPRMを経て、エンジンのカテゴリーごとに2001年から02年秋にかけて最終規則を公布する予定である。

 

 

 

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