シンガポール政府との契約により、バタム〜シンガポール間の旅客船事業許可が3隻のインドネシア船舶に与えられる予定である。この航路で使用する旅客船は、シンガポールの厳しい基準を満たす必要があり、現在申請中の30隻程度の船舶のうち大部分が却下されるとみられている。片道料金が40シンガポールドルであるため、中速旅客船事業者には良い事業機会である。
2.2.3 造船設備
インドネシアには多数の造船所があるが、この大部分は旧来型船舶を建造している。最大の造船所はスラバヤのPal社のもので、「洗練され過ぎている」と言われている。これはハビビ氏が技術相であった時に造ったものである。バタムの造船所は、シンガポールが関係しており、より効率的で能力がある。
(政治的、広報活動的理由から)インドネシアで建造された旅客船にエンジンを搭載したいのであれば、オーストラリアのアルミ船をバタムに移動し、そこで仕上げを行うこともできる。その場合には、Pal社は適切な選択である可能性もある。
2.2.4 市場の今後の見通し
日本のエンジンメーカーがインドネシアで漁船及びその他の作業船向けの売上を伸ばすには充分な機会がある。中高速旅客船向けのエンジン及びその他の分野については以下の通りである。
2.2.4.1 中速旅客船
インドネシアの中速旅客船路線のほとんどについては、事業の可能性自体に大変な疑問がある。ルピア建ての運賃では、大多数の路線は黒字化しないであろうし、この種の旅客船の運行経験も限られている。また、政治的、経済的状況も融資者及び投資家の自信を損なうものとなっている。