しかし、日本製エンジンは中速旅客船に適していることは知られていない。頑丈で、信頼性が高く、経済的なエンジンは、漁船やタグボートに適しているという印象である。そのような中でも、旅客船事業者は日本製エンジンの優良さを認識し、自社の中速旅客船に取り込みたいと考えている。
2.2.2 既存の旅客船事業者及びその要望
PT Pelni社は政府系企業であり、これまでインドネシアの旅客船路線の大部分を独占してきた。政府の補助金により、直接的又は間接的に支援されてきたが、現在、関連代理店が路線を民間の事業社に提供する準備を行っている。
大多数の路線では、従来型旅客船が運行しており、Pelni社は多くの小規模港に寄港し、島間の運行サービスを提供することを余儀なくされている。小型旅客線を使用し、乗客を大規模港へと運ぶローカル線も計画されており、同社の運行効率も改善される見通しである。Pelni社は一律料金としているが、運賃はルピア建てとなっているので、高品質の旅客船を使用する場合には充分な支援が期待できない。
Seacom社は15路線につきライセンスの取得を申請しており、これらの路線は以下の種類の船舶に適しているとみられる。
→ 乗客200〜250人
→ 単胴船(頑強なため最適と考えられている)
→ 速度25ノット
→ アルミ船(ファイバーグラス船は商用旅客船向には禁止される可能性がある)
しかし、これらの路線は400〜500海里程度のものもあり、このような旅客船が現実的であるかどうかという疑問もある。インドネシアの航空運賃は競争の激化により値下がりしており、航空旅行を選ぶ人が増加している。