その一方で、将来性は無視できず、日本のエンジンメーカーも下記の分野に力を入れることが可能であろう。
→ 外貨獲得が可能なインドネシア〜シンガポール間、インドネシア〜マレーシア間の路線
→ インドネシア間で比較的有利な数路線(ジャカルタ、スラバヤ、ウジュンパダンなど)
→ Pelni社のローカル路線のうち大規模港に接続する少数路線
これらの路線のすべてがオーストラリア製の高品質旅客船に適しているわけではなく、日本のエンジンメーカーは、バタムやシブ(マレーシア)の造船所と協力することでより大きな販売機会を得るであろう。これらの旅客船の多くは単胴船であり、乗客定員は200名、運行速度は25ノット程度と考えられる。
2.2.4.2 漁場監視船
新海運相は、200隻までの監視船を必要としており、同プロジェクトが資金調達できた場合には、日本のエンジンメーカーにも事業機会がある。
同プロジェクトの問題点は、政府機関が顧客であるということであり、日本のエンジンメーカーの融資に対しても問題を生じるであろう。
2.2.4.3 相対取引
インドネシアでは融資が重要である一方、別の条件で取引をすることも可能である。
→ 顧客は船舶に対する手付金を支払う
→ 残金は、魚介類、材木などの現物で支払い、可能であれば日本のエンジンメーカー系列の商社を通じて日本の市場で売却する。
→ 商品の契約金額は船舶の残金、金利から差し引く
しかし、この取引は困難であり、また旅客船路線の事業性について確認することが重要である。商品の確実な供給も問題点となる。