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しかし、問題点もあり、最も重要なことは、資本参加を求められることである。事業計画案はすでに作成されており、最低でも一社(一人)の投資家が参加する予定である。

このプロジェクトが進行した場合には、船舶はオーストラリアの造船所で建造され、日本のエンジンメーカーにとっては新市場となるであろう。

 

2.2 インドネシア市場

インドネシアの旅客船業市場は非常に重要で、毎年1億人の旅客船旅行者がいる。その一方で、中速高品質旅客船の事業で利益をあげるにはいくつかの障害もある。

インドネシアの経済、政治情勢は通貨価値及び事業家、投資家の自信に悪影響を与えている。米ドル建てで費用が発生し、ルピア建ての収入を得ている事業者は、生き残りに苦戦している。従って、外貨収入を得ることのできないインドネシアの中速旅客船事業が成功する見通しは低い。

インドネシア国内、150の旅客船路線のうち大多数は、中古船、従来型船舶、RO-RO船を運行することでなんとか利益を上げている。これらの路線のうちには、燃料費用に対する補助金がなくなった場合、存続の可能性が危ぶまれるものもある。燃料費は現在1リットルあたり600ルピア(約7米セント)であり、近く12パーセント上昇し、その後も上昇しつづけることが予想されている。

しかし、インドネシアにも日本のエンジンメーカーに対する事業機会はある。

 

2.2.1 市場における日本製エンジンのイメージ

インドネシアでは、日本のエンジンメーカーは、長期にわたり作業船に信頼性の高いエンジンを提供していることで良く知られている。現地の代理店は有能とみなされており、幅広い販売とサービスのネットワークを築いている。ジャワには日本のエンジンメーカーの工場があり、これもイメージ強化に役立っている。

 

 

 

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