2.1.5 フィリピンにおける事業機会
・PFFC社
同社は大型船を売却し、これを今後18カ月間に購入する5〜7隻の小型船の資金に充てる予定である。関連会社であるセブのFBM社から購入する予定であり、エンジンはMTU社又はCaterpillar社のものが搭載される可能性が高い。
Mt Samat社と類似の旅客船には、日本製エンジンが適しており、日本のエンジンメーカーが条件の良いバイヤーズクレジットを提示することができれば、日本製エンジンが採用される可能性がある。
本取引により期待される点として:
→ PFFC社との間に強力な関係を築き、MTU社のエンジンに比較し、優良なエンジンとの認識を高める。
→ 今後18カ月間にわたり、5〜7基のエンジンを販売することができ、その他部品の販売の可能性もある。
→ 中速旅客船市場での日本製エンジン販売実績をつくる。
→ Aboitiz社との密接な関係を築き、その他の事業機会を得る(同グループはフィリピンで第2の民間電力会社であり、多種の自家発電機の販売につながる可能性もある)。
PFFC社がオーストラリアからより安価な旅客船を購入する可能性もあるが、FBM社からの圧力が予想される。オーストラリアからの代替案も考慮されるべきであろう。
・BULLET XPRESS社
同社は、これから数年にわたり、シブから10隻の新旅客船を購入する計画である。同社はシブのパートナー会社に対し、鋼製旅客船を購入することを約束している。一隻あたりの価格は約60万米ドルの予定である。
同社は財務的に充実していないため、事業拡大のために投資家からの出資を必要としている。また、日本製エンジンに対し強い関心を持っており、Caterpillar社からの融資の申し出を受けるつもりはない。
日本のエンジンメーカーがBullet Xpress社にバイヤーズクレジットを提供できれば、エンジンの販売につながる可能性が高い。東マレーシアの日本製エンジンメーカーの代理店は評判が良く、シブの造船所に製品を納入する際にも有利となるであろう。