2.1.4.4. バイヤーズクレジット
日本のエンジンメーカーの競合メーカーは、条件の良いバイヤーズクレジットを提供している。通常これらの条件は、新規又は代替購入エンジンの100パーセント及び船舶全体の80パーセントまでをカバーしている。金利は、通常ロンドン・インターバンクレートの200ポイント上で設定されている。
市場で一定のシェアを取るためには、日本のエンジンメーカーも同様の条件のバイヤーズクレジットを提供する必要がある。その手順としては、
→ 日本から低金利の融資を受ける。
→ これらの融資をフィリピンの銀行を通じてペソ建ての融資に変更する。
→ 為替リスクを回避するための金利差及び手数料を差し引き、12〜14%程度の金利を提供する。
2.1.4.5 修理及び部品在庫サービス
調査の第1フェーズでも明らかになったように、日本のエンジンメーカーはフィリピンで充分なサービスの提供及び部品を在庫しておらず、現地のメーカー販売代理店の評判は良くない。しかし、旅客船事業者にとってエンジンメーカーのサービスは非常に重要である。
よって日本のエンジンメーカーは、フィリピンにおける販売の増加を期待するのであれば、この点に注意する必要がある。代替部品はシンガポールから3〜4日で届くため、信頼できる現地の代理店を選定することが重要である。旅客船事業社には、台湾からの模造品を使用している会社もあり、これは日本製エンジンに悪評を与える原因ともなり得る。
PFFC社との取引が行き詰まるようであれば、Aboitizグループを代理店として選定することも可能である。