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一方、中古旅客船及び部品は市場において優位であり続けるであろうことが予想されるため、日本のエンジンメーカーが中古エンジン及び部品を販売する子会社を持たない場合には、新部品に対する市場は限られるであろう。

 

2.1.4.2 市場における日本製エンジンのイメージ

日本製エンジンは市場での認知度は高く、経済的で信頼性のある作業用エンジンと考えられている。しかし、高速旅客船市場においては、日本製エンジンは認知されておらず、30ノットで運行する大型旅客船には適さないと考えられている。

日本エンジンは評判が良く、小型化する旅客船市場には事業機会があると考えられる。競合メーカーとしてはCaterpillar社、MTU社、Cummins社があげられるが、顧客はこれらのメーカーのエンジン価格、信頼性、効率性については満足していない。顧客は、競合メーカーに対しなじみがあり、現地で充分なサービスが受けられること、また、条件の良い融資が受けられることなどを理由にこれからも競合エンジンを購入し続けることが予測される。

 

2.1.4.3 オーストラリアの造船所に対する事業機会

旅客船市場は小型化してきており、中古船が優位になりつつあることは、オーストラリアの造船所に対しては良い機会であるとともに新たな努力が必要となる。

→ FBM社より低価格での中速旅客船の提供

→ 中古船及びシブの造船所との競争による販売の低下

オーストラリアの造船所のうち最低1社が競争力のある価格(150万米ドル程度)で適切な旅客船を提供することができなければ、フィリピン市場での販売は困難になるであろう。このため、日本のエンジンメーカーと協力して、有利な条件のバイヤーズクレジットを提供する必要がある。

 

 

 

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