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また、輸入された商業船舶、ボート、高速旅客船、遊覧船の市場は高額の輸入税及び所関税により制限されている(CIF価格の30%、10%の追加税、50%の物品税、10%の内務省税、及び7%の付加価値税)。

現在のところ高速旅客船に対する潜在顧客については認識していないが、観光客の増加により、長期的な機会はあると考えられる。タイの高速旅客船市場は、関税が軽減された場合には発展するであろう。

高額の関税に対処する方法としては、現地のパートナーを探し、オーストラリアのデザイン及び部品を使用して、現地で建造することである。

 

1.5 シンガポール

シンガポール市場は、他のアジア地域の国々と異なり、所得水準が高く、時間価値を重視しており、主要事業者は時速30ノット以上の高速旅客船を使用している。従って、オーストラリア高速船メーカーにとって十分な見込みがあるものの、日本製エンジン搭載の船舶にとっては、セールスポイントが相対的に少ないものとなっている。

また、シンガポールには多くの旅客船事業者があり、域内各国との路線を運行しているが、参入に際しては次のような問題点がある。

・中古船市場の存在

・バタム島の造船所との競合

・シンガポール港湾局(Singapore Maritime Authority)が設定している高基準(オーストラリアの高速船で、船体(hull)の厚みが基準外であったため、許可されなかったことがある。)

 

・Auto Batam Ferries社

同社は政府系企業であるSembawang社の子会社。高速フェリー16隻を所有し、シンガポール〜インドネシア間を運航しており、年間150万人の乗客を運んでいる。Sembawang社は65社を所有する大規模コングロマリットであり、ベトナムの工業団地に2億5千万シンガポールドルの投資を行っている。

 

 

 

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