南アフリカ及びヨーロッパでは新規旅客船に対する見込みがある。東南アジアで唯一残っている市場はフィリピンだが、優良で収益性のある旅客船事業者は数少ない。サフィグループ(MYT社の漁業子会社)は新規の大型漁船を購入しており、新規旅客船を購入する可能性もある。
ベトナムにも潜在性があるが、中古船が中心である。また、同社はインドネシアについてはしばらく様子を見ることが賢明であると考えている。
・New Island Shipping社
同社に対しオーストラリアの造船所は330万ブルネイドルの見積もりを出してきており、これは130万ドルの予算超過であった。その後、同社は香港企業から4隻の旅客船を1千万香港ドルで販売するという提案を受けた。これは1隻100万ブルネイドルと比較して非常に条件の良い取引だったため、香港企業との取引を行った。
同社は、オーストラリア製の高品質高速旅客船を東マレーシア及びブルネイで販売するのは困難であると考えている。なぜならば、これらの地域では資金繰りが厳しく、航路及び運賃は多額の資本投資を保証できないからである。これから市場には、近隣の島々との海中経路の発達により、シンガポールからの中古船舶が更に出回るであろうと予測される。
同社は、到着乗客により良いイメージを与えるために、ブルネイの旅客船ターミナル改良の提案を出している。もしもブルネイ政府がこれに賛成すれば、より良い品質の大型旅客船が、KK〜ラブアン〜バンダール等の路線向けに販売できる可能性があるであろう。政府がこれに賛成しない場合は、シブで建造されている旅客船で充分であり、中古船についても考慮するであろう。
ブルネイ政府は、KK〜ラブアン〜バンダール間の旅客船サービスの許可を旅客船事業の実績のない地元企業に与えた。しかし、現段階ではこの事業は前に進んでいない。旅客船はオーストラリアに発注されたが、様々な理由から費用がなくなったそうである。
同社は東西マレーシア間の高速旅客船サービスに大変興味を持っている。独占許可が与えられるなら、1千万オーストラリアドルを投資することは問題ないとのことである。