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東マレーシアでも非常によく利用されており、同市場には潜在性がある。しかし、価格が非常に重要であり、現在の経済情勢の影響を受けて、企業は新規船舶の購入予定を延期している。機会は間違いなく存在しているため、今後の新規購入に向けた潜在顧客への提案を行うことが重要である。輸出を行う際には、直接販売又は、地元代理店を通じての販売を選ぶことができる。

 

1.3 ブルネイ

ブルネイ唯一の高速旅客船就航航路はマレーシア東部ラブアンへの航路である。

過去、オーストラリア製高速旅客船を購入し、1隻の代替船舶に関心ある旅客船事業者がおり、本プロジェクトの対象とすべく、接触したが、同事業者は香港から中古高速船を2隻購入することに決定した。これらの価格は新造船1隻より低かった(1千万香港ドル)。

ブルネイ経済も低迷しており、回復にはかなり時間がかかると思われる。こうした経済情勢では、新造へのメリットが明確にされない限り、中古船を購入するアジアの旅客船事業者が多いものと思われる。

また、ブルネイでは今後数年間、高速船に対するニーズが低くなるものと思われる。

 

・SUMB社

同社は海洋保険会社であり、同国における海洋産業に詳しい。同社によると、ブルネイの経済情勢は非常に悪く、潜在顧客は皆資金不足である。(銀行は非常に保守的になっており、融資及び車両・機械の回収を開始した。)

可能性があるとすれば、現在荷船を就航させているクアラ・ベライト地区の業者である。また、シェルは安全上の理由から海上油井基地向け人員のヘリコプターでの移動を中止しており、同サービス向けの高速カタマランに機会があると考えられる。しかし、本当の競合は市場に出回る数多くの中古船である。

 

 

 

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