日本財団 図書館


同社はMTU社のエンジンのみを使用すると約束しているわけではないので、これらの新規小型旅客船に日本製のエンジンを搭載することは可能であると考えている。バイヤーズクレジットの条件についてCaterpillar社とも交渉しており、日本のエンジンメーカーからの条件提示も歓迎するとの考えである。

 

・Bacolod Real Estate Development社(マニラ)

同社はバコロドに新港を建設した民間企業であり、今後高速旅客船分野への進出を計画している。就航航路はバコロド〜イリオ間の往復で、距離は26海里となる予定である。

同社はすでにオーストラリアの造船所からの提案を受けており、より有利な融資条件に興味をもっている。日本製のエンジンはフィリピンで人気があり、優良であるため、購入の可能性はある。

同路線での競合企業はWaterjet社であり、現在50分間で航海しているため、新規事業者としては航海時間を1時間以内にする必要がある。同社にはスポンサーがおり、現在、積み下ろし所要時間を最小限におさえることのできる旅客定員150名程度の旅客船を2隻購入したいと考えている。できるだけ早く営業を開始したいと考えており、港を所有しているため運用設備には問題がないと考えている。(従来型、大型旅客船はすでに同港に寄港している。)

同社は早急な条件の提示を必要としており、20パーセントの手付金は問題がないとのことである。また、新規参入業者であるため、乗組員やメンテナンス人員の訓練も求めている。

 

・Subic Bay Metropolitan Authority(Subic Bay Freeport Zone)

同当局は、マニラ〜スービックベイ間(約50海里)の高速旅客船市場の潜在性は感じているが、特定の事業者による計画については認識していない。

 

・国内船舶所有者協会(マニラ)

国内船舶所有者協会には、現在、高速旅客船事業者としてはAboitizグループを含む2社しか参加していない。しかし、オーストラリア製高速旅客船の「条件の良い取引」に興味を示す会員がいる可能性はあるので、今後会員に確認するとのことである。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION