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市場では誰もが経費を節減しており乗客も価格に敏感である。本産業が直面している問題は;

→ 利息の支払い(12%の金利が確保されているにもかかわらず)

→ 燃料費(政府は高速旅客船分野を刺激したいのであれば、燃料費を補助する必要がある。)

→ エンジンのサービス及び部品

ビジネス及び中級の顧客は高速を求めている一方、乗客の大多数は高速旅客船の運賃が高過ぎるならば、従来型船舶(4分の1から5分の1の費用)を選ぶと予想される。大多数は「時間を買う」ことよりも一晩かけて旅行する(例えば夜の7時に出発して朝の5時に到着する)を選ぶと考えられる。

融資については興味があるが、日本製エンジンについてはサービス及び代替部品が障害となると考えている。同社は、より安価で、旅客定員150〜200名程度、25〜27ノットの旅客船が大多数の地方路線には最適であると考えている。短距離路線の場合には、低速であっても5〜10分の差しかないからである。

現段階における同社のアセアンフェリーに対する興味は薄い。また、従来型旅客船事業者が高速旅客船に移行するとは考えていない(メンテナンス費用及び運営コストが高価すぎるため)。

 

・Aboitiz Transport System社(マニラ)

同社はセブでの造船事業(FBM Shipbuilding)の拡大を計画中である。新しい施設では、DMV基準にあわせて運営し、165人の従業員を雇用し、長さ50メートルのカタマラン2隻、製造できるようにする予定である。

また、同社は「高速旅客船のニッチ分野;旅客定員150名、巡航速度25ノット」の分野に力を入れたいと考えている。今後数年にかけて10隻の旅客船を建造する予定であり、そのうちの最低でも5隻はPFFC社に売却する予定である。1隻あたりの建造費用は約235万米ドルと、オーストラリア製のものより50万米ドル程度高価になる予定だが、より強固なものであり、市場に受け入れられると考えている。

 

 

 

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