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・Socor Shipping Lines / Oceanjet社(セブ)

同社は日本からの中古高速旅客船を2隻運航している。2隻とも単胴船で、旅客定員はそれぞれ200名及び150名、巡航速度29ノット及び31ノットである。同社はヒロンゴス〜レイテ間、ポロ〜カモトス〜トゥビゴン〜ボホル間、ラレナ〜スィキジョル〜タグビララン〜ボホル間でサービスを行っており、最長路線は52海里、カモトス路線は42海里、その他は30〜36海里の距離である。

2隻とも日本製のエンジンを搭載していたが、共にMTU社製のものと交換した。その理由は、日本のエンジンメーカーの現地代理店によるサービスが充分でなかったからである。同社は日本製エンジンの16-LAKのスーパーチャージャーを交換する必要があったが、これは日本のブローカーを通じて行わなければならなかったため、3ヶ月の期間がかかり、その間旅客船を使用することができなかった。

また、別のエンジンに浸水があった時、現地代理店はそれにどのように対処すればよいかわからず、同社自身がマニュアルを見て解決しなければならなかった。しかしその時にはすでに手遅れで、カムシャフトを交換しなければならず、カムシャフトの交換費用は非常に高価であり、部品の確保に時間がかかることが予想されたため、MTU社のエンジンに交換した。

同社は日本製エンジンに対しては良い印象をもっているが、サービスが充分でないと考えている。他社のエンジンに問題が生じたときも、代理店からマニュアルを持ってきて、どのように直せば良いのかわからなかったとのことである。また、現地代理店には部品がまったく置いていない。それに対し、MTU社には訓練された人員があり、部品の在庫も揃えている。

高速旅客船分野は非常に競争が激しく、それに対して運賃は安価である。また、常にメンテナンスが必要で、夜でもメンテナンスチームを待機させておかなければならない。従って、同社は高速旅客船分野については様子を見ることとしているおり、中期的には新規船舶購入の予定はない。

 

 

 

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