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インドネシア市場にて障害となりそうなのは、同国の経済が引き続き不安定であることと、それに関連して顧客のリスク管理が難しいことである。しかしながら、潜在的顧客が数社あり、フォローアップする価値があるものと思われる。同市場への間接的アプローチとして、インドネシアでの旅客船事業を計画するマレーシア等の国の事業者との協力関係を構築することも可能と考えられる。

従って、本プロジェクトの次の段階ではインドネシア・フィリピン市場を重点的に取り上げることが適当であるものと思われる。

アセアンフェリーのコンセプトで問題なのは、予想外に中古高速船との競合が存在していることである。中古高速船の程度が、従来考えられているより良く、エンジンの換装等の整備を行っても新造船の半分程度の費用で運航可能となることから、新造船購入のための融資を取り付けるのに苦労しているアジア船主は、将来的な保守上の負担よりも目の前のイニシャルコストの節約に重きを置きがちになっている。従って、なんらかの船主へのイニシャルコスト低減方策を講ずる必要があるものと思われる。

 

3.1.4.1.2 欧米のエンジンメーカーと日本のエンジンメーカーとの違い

本プロジェクトを進めて行く上で、オーストラリアの造船所は日本のエンジンメーカーに対し欧米のライバル会社と同じ条件、サポートをしていないという指摘がなされ、これがプロジェクトを立ち上げていく上で、調整に手間取った部分である。また、プロジェクトの進行に大きく影響する要因となった。

欧米と日本の高速エンジンメーカーを大まかに比較すると、次表のようになるが、その中でも、以下の3点が大きく異なっている。

→ 企画型営業(プロジェクトプロポーザル)

→ 金融

→ イメージ戦略

 

 

 

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