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3.1.4 第2フェーズに向けての今後の方向性

本プロジェクトの今後の方向性について以下にまとめるが、今年度事業において、具体的な成果はなかったものの、今後の本プロジェクトのコンセプト等を否定的に捉えるものではないと考えられる。

 

3.1.4.1 プロジェクトの影響要因の評価

本プロジェクトの今後の方向性について考える上で、大きな影響を与える需要動向、欧米メーカーとの違い等の要因について評価しなければならない。

 

3.1.4.1.1 アセアンフェリーに対する需要動向

前章で述べた様に、各国市場の動向、本プロジェクトでの引き合い状況等からアセアンフェリーのコンセプトである従来型高速船より低速(時速25ノット程度)、低廉で、かつ150人以下の旅客を輸送できる旅客船に対する需要が、東南アジアに存在していると想定される。

その中で、依然としてフィリピンがアセアンフェリーの大きな市場であることは明らかである。Philippine Fast Ferry Corporation社が高速旅客船市場で大きな地位を占めていても、潜在的顧客となる旅客船事業者が他にも数社ある。フィリピン市場にて問題となりそうなのは、セブの造船所による中速船建造計画である。これが現実化した場合、このプロジェクトと競合する可能性がある。一方、日本のエンジンメーカーにとっては、同造船所へのエンジン供給のビジネスチャンスがあるかもしれない。

もう一つの大きな潜在市場はインドネシアである。同市場は、本プロジェクトでは、同国の社会的、政治的不安定さから対象として取り上げなかったが、アセアンフェリーに適する航路が多数存在している。

 

 

 

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