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新世代のRoPaxが欧州市場に及ぼす影響

 事業名 基盤整備
 団体名 シップ・アンド・オーシャン財団  


あらゆる航路はそれぞれ独特であり、ある航路のために設計した船を他の航路に移せば多少の不具合が生じる。このような融通性の不足は、船主が保有船を転売するときのことを考える際に間題となる点である。

例えばイタリアのGNVの場合、北海のオペレーターの航路よりも旅客の比重がはるかに高く、したがってGNVが好むRoPaxはバルチック海の大型クルーズRoPaxの貨物積載量を増やしたようなタィプとなり、しかもその質的基準は非常に高い。この航路のもう一つの特色は、フェリー・サービスを利用する運転手がエリートと自認していることである。従来、フェリーは陸上輸送との競合では質的に最低の輸送方式とみなされてきた。この航路では鉄道が最も安上がりの、質的にも最低の輸送方式なのである。

コンテナ船と異なり、フェリーは2港間をシャトル運航するのみである。フェリーに要求される船速とそのサービスが必要とする隻数は、港間の距離と1日の目標航海数によって決まる。片道航海時間が2時間で1日3航海を提供する航路の場合、港での停泊時間は2時間に抑えなければならない。有人トレーラを乗せる大型船では、ドライブスルーが可能でなければ、この要件を満たすことはできない。片道1時間ですむ航路であれば、停泊時間に余裕が生じ、ドライブスルーを必要としない。短距離航路の場合、大幅な高速化でない限り、船速よりも停泊時間の方が支配的な要因となる。大幅な高速化は多額の資本投下を必要とし、運航費も増大するので、それを支えるだけの運賃は利用者になかなか受け入れられない。一方、無人のトレーラは荷役にそれだけ時間が掛かるので、無人/有人トレーラの比率が決定的要因となる。船速を上げれば、隻数が少なくても同じ積載能力を確保することができる。

船種の選択は航路の特殊事情、輸送対象の要件と数量によって決まる。ギリシャの各船主は現在の新造船計画で、中長距離航路には高速RoPax、島嶼間航路には中小型の高速フェリーを主体としている。西地中海では、フランス、スペイン、イタリアの国営フェリー船社が国内建造の大型単胴高速フェリーで船隊を一新したが、民間オペレーターは船価の低いAquastrada艇や双胴船を選んでいる(Aquastrada艇とはRodriquez Cantieri Navali Spa.の標準設計による高速船で、すでに5隻が建造済み)。

Atticaはアドリア海に高速フェリーが導入されたことにより、明らかに輸送量が増加したとしている。料金を変えずに、効率化によって、売上げ、利益とも著しく増加している。具体的に言えば、高速化によりパトラス/アンコーナ間の所要時間は11時間も短縮され、週7日のデイリー・サービスが可能になった。

以上のように、船種は航路の輸送対象の事情により決定される。RoPaxに限らず、どんな船舶でも船型は市場の規模、獲得可能な市場シェア、スケール・メリットにより決まる。船速は運航スケジュールとマーケティング面の要件によって決まる(ただし高速化に伴う燃費の上昇を考慮しなければならない)。質も一つの要因であり、これは利用者のニーズと、その市場におけるオペレーターの競争戦略によって決まる。

 

1.2.4 事業構造と戦略

旅客市場と貨物市場への対応のあり方についで選択に影響を及ぼすような、事業構造における大きな展開がいくつかあった。特に重要なものを上げれば以下の通りである。

- 民営化及び買収、合併、合弁事業による統合、これによりサービス頻度を落とさずにスケール・メリットの実現が可能になった。

 

 

 

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