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・ 1998年9月15日―バヌアツ籍のバルク・キャリアーがジャマイカのキングストンのブリティッシュ・コール・ターミナルのバースに横付け中に盗難にあった。モーターボートで接近した強盗が、前方係留索を伝って乗り込んだ。1,200リットルの塗料、電動ホースカッター、ベニア板2枚が盗まれた。侵入者は発見され、モーターボートで逃走した。4時5分に警報機が鳴り、4時50分に同船は港湾警察に通報、警察は6時に到着した。

 

外国海域における米国関連船舶の被害数も比較的少ない。海軍情報局によれば、米国籍船が被害にあった事件として把握しているのは、タンカー、Chesapeake City号事件とMSC (Military Sealift Command:軍事海上輸送部隊軍需物資の輸送に従事しているが乗組員は主として民間人である)船Bowditch号事件の2件に過ぎない。IMOの海上安全委員会には米国籍船舶が関係した事件として、この他に数件の被害が報告されている。しかし、船主に問い合わせたところ、これらの事件報告についての確認は取れなかった。

 

・ Chesapeke City号事件―1998年5月、89,000dwtのタンカーがインドネシアのTeluk Semangaka沖で4人の武装強盗に襲撃された。強盗は乗組員をアイスピックとミートフックで脅した。同船はクウェート所有で、湾岸戦争中に米国船籍に登録された。1999年9月に同船で2件目の強盗事件が発生している。

 

・ Bowditch号事件―MSC船。2000年10月にスリランカ東で40フィートのセイル/モーター漁船により接近された。漁船には4人が乗り組んでおり、そのうち2人が腰に武器を隠し持っている様子で、金銭を要求したが、艦船の乗組員が武器を提示し、退去するよう命じると、そのまま逃走した。

 

・ Liberty Spirit号事件―IMOにより報告された米国籍船の被害。2000年8月に、Chittagongで停泊中に発生した。IMOによれば、船尾から5人の武装強盗が乗船したが、乗組員が海賊対抗策を講じ、強盗を追い払ったと報告されている。しかし、船主のリバティー・マリタイム社に問い合わせたところ、これに該当する事件が発生した記録は全くないとの回答であった。

 

 

 

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