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2. 米国関連海賊被害発生状況

 

世界の他の海域に比べて、米国領海又は近海における海賊およびその他の海運関連被害件数は比較的少ない。米国籍船舶または米国所有の船舶の海賊被害件数も比較的少数である。

 

海賊被害等の海運関連被害情報を集積している海軍情報局(Office of Naval Intelligence)によれば、過去5年間に米国領海または近海で発生した海賊被害はわずか4件に過ぎない。そのうち2件はジャマイカにおける船上強盗であり、1件はハイチにおけるフェリーのハイジャックである。

 

・ 1997年7月1日―Vanderpool Express号がマイアミ川のシーターミナルに停泊中、銃器とナイフで武装した集団が乗り込んできた。乗組員の一人が殺され、もう一人が刺された。武装集団は怯んで逃走。Vanderpool Express号は1999年7月17日にFidel Express号と改名。

 

・ 2000年5月16日―カタマランフェリー、Gonive Enfleche号が5月16日にポート・オー・プリンスを出航後、米国に政治亡命を求める10名のハイチ警察官にハイジャックされた。同フェリーの船長と航海士は縛られたが、121人の乗客と乗組員は全員無事であった。5月23日にUSCGが、バハマのアンドロス島沖南30マイルで燃料切れで漂流中の同フェリーを発見した。

 

・ 1999年8月19日―25,500トンのドイツ籍コンテナ船Cap Ortegal号がジャマイカのキングストンに停泊中に盗難にあった。錨を揚げてバースに向かう準備をしている最中に、前部上甲板にいた航海士が救命ラフトが一隻足りないと報告した。ペイントロッカーが荒らされ、中身が盗まれていた。係留索は垂れ下がり、一本が紛失していた。後に同船のコンテナ4個は穴をあけられ、そのうち2個のコンテナから野菜の箱が抜き取られていたことが判明した。

 

 

 

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