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バルク貨物及び商品の単純な輸送という域を越え、同法は次の特殊目的の輸送にも適用されている。

・航路からの浚渫泥の輸送4

・海上焼却されるゴミの輸送5

・商品価値のない素材の輸送6

 

「米国内の地点間」の定義についても同様の広い解釈が行われてきた。二港湾間の輸送の他に、沖合いにおける船舶から船舶への積み替え、はしけ輸送も含まれるようになったが、これは領海内に限る。外洋大陸棚土地法により「米国における地点」の定義が拡大され、海底に固定された掘削リグ、生産プラットフォームが含まれるようになった。

しかしながらある形で輸送され、荷下ろしされ、別の形に加工され、改めて積み込まれ、輸送される商品、たとえばアラスカから積み出された石油が米領バージン諸島に輸送され、同地の工場で精製され、別の形で米国本土の港湾に送られた場合は、二点間商品輸送には含まれない。7米国関税局の加工処理区別の適用は、ジョーンズ・アクトの元来の目的と全く一貫していない。

はしけ輸送とは、原油の大型タンカーから小型タンクバージへの積み替えプロセスを指す。海外から米国への原油輸送にはVLCC、ULCCが使用される。これらの超大型タンカーの満載喫水船は70フィートから90フィートとなるため、満載喫水線40フィートを超える船舶を受け入れることのできない米国港湾には入港できない。8このため、沖合いで小型のはしけに積み替え、荷揚げする。これは国際輸送の一部であるため、ほとんどのはしけ輸送は内航規制の適用を除外されている。米国近海のはしけ積替え輸送のほとんどは、沖合い40マイルから60マイルの間で行われる。

 

4 PL. 100-329、1(a)、102 Stat. 588(1988)

5 PL. 97-389、§502、(1982)

6 PL. 100-329、1(a)、102 Stat. 588(1988))

7 Blumenthal, 379 U.S. 945

8 テキサス州のCorpus Christiは45フィートまで受け入れ可能。

 

 

 

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