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第3章 海洋レジャー関係団体の役割と重要性

 

舟艇工業会(BIA - Boating Industry Association)が豪州におけるマリン業界の主要な団体であることに疑問の余地はない。各州がそれぞれ協会を組織しており(タスマニア舟艇工業会は1996年に設立されたばかりであるが、他州の舟艇工業会は長年の経緯を持つ組織である)、各州の舟艇工業会が集まって豪州舟艇工業会(BIAA - Boating Industry Association of Australia)を形成している。舟艇工業会のメンバーには、舟艇や船舶用品のメーカー、卸売業者及び小売業者のほか、関連サービスの提供者等海洋レジャー産業全般の各種企業が含まれている。

 

1980年代末、舟艇製造事業者の多くが、製造事業者固有のニーズを舟艇工業会が十分に満たしていないとして、豪州ボート製造事業者協会(BMAA - Boat Manufacturers' Association of Australia)という別組織をつくった。舟艇製造事業者の大半がBMAAに加盟しているが、その多くがBIAのメンバーでもある。各州で毎年行なわれるボートショーなど双方の関心事項であるプロジェクトについては、BMAAとBIAの協力のもとに実施されている。

 

現在、各州の組織が中央の組織強化を図る方向で動いている。豪州舟艇工業会は、1995年に舟艇産業発展計画を作成し、豪州政府に提出しているほか、政府による財政支援や奨励措置を得るべく活発なロビー活動を展開してきた。効果的な全国団体を作ることで、必要なデータの収集を行なったり、舟艇産業における統一規制の制定を促進することを目指している。 しかし、1996年、新たに自由党主導の連邦政府が誕生し、産業支援策全般に対する財政的支援を削減したため、BIAは連邦政府から財政支援を取り付けることが出来ていない。

 

添付資料7に、州舟艇工業会事務局一覧と、ニューサウスウェルズ州舟艇工業会の会員一覧も参考添付している。

 

海洋レジャー産業に関係する団体には、豪州ヨット連盟(Australian Yachting Federation)等強固な組織力を誇る団体から、「釣りクラブ」程度の小規模な団体まで、種々多数のものが存在する(添付資料8参照)。

業界としての意見の統一の必要性が何度も指摘されているにもかかわらず、比較的活発な活動を行っている団体でさえ、州及び地域レベルのスポーツや活動に関する特定ニーズを主な関心事としているのが現状である。

 

 

 

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