プレジャーボートの登録隻数は、過去3年間に市場全体で10パーセントの伸びを見せてきた。新造プレジャーボートの需要に影響を及ぼしていると考えられる要因は次のとおりである。
→ ボート所有者の特性−プレジャーボート所有者の大半は、30〜50才の男性で、既婚の中所得者層である。こうした所有者の新規購入意欲は、景気後退期に最も打撃を受けやすい。ボートは一種の贅沢品と見なされているため、景気変動の影響を最も受けやすく、景気の悪化に伴い最初に処分される資産の一つとなっている。また、比較的多くの人が遺産相続やその他の原因により「たなぼた」式に念願のボートを手に入れるが、維持費を過小評価していたことに気が付くと、ボートを手放してしまうことが多いのも事実である。
→ 活発な中古舟艇市場−ボートの所有者が比較的頻繁に変わり、中古艇が常に市場に出回っていることが、新規舟艇の市場の活性化を妨げる要因となっている。より高品質のボートを購入するため所有していたボートを売る者もいるうえ、上述のような要因により中古舟艇を手放す者が多いことも中古艇市場の拡大の一因となっている。