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第1章 プレジャーボート製造業

 

1.1 プレジャーボートの市場特性

豪州において釣りやヨットなどは人気の高い海洋レジャーであるが、実際にボートを所有している者は人口の3〜4%にとどまっている。また、所有している舟艇は大小のプレジャーボートが600,000〜700,000隻で、カヌーやカヤック、その他これらに類似した小型のものが200,000隻程度となっている。

豪州で毎年販売されるモーターボートの約7割は釣り用である。アルミ製の「runabout」と呼ばれる小型のものから大型の外洋向けボートまで種類は様々であるが、その殆どが船外機を動力としたものである。水上スキー用ボート、スピード・ボート、外洋クルーザーなど釣り目的以外のレジャーに使用されるモーター・ボートの売上は余り多くない。

各州のボート登録状況(添付資料1)を見ると、ボートの所有状況が概ね把握できるが、数値の分析にあたっては若干の注意が必要である。それは、ある州でボートを登録した後に別の州にそのボートを移管しても、元の州において登録が抹消されていない例が頻繁にあるためである。また、一部の州では小型モーターボートの登録が義務付けられていない。

しかしながら、これらによる誤差を踏まえたとしても、各州の登録状況は、下記のグラフに示されるとおり、ボート所有率が人口水準とほぼ一致していることが分かる。顕著な例外は次のとおりである。

 

→ ビクトリア州−水域条件と気候が良いとみなされるにも拘らず、1人当り所有隻数は若干低い。

→ クィーンズランド州−観光業やチャーター産業が盛んなため、人口一人当たりのボート登録数は比較的高い。

→ 西オーストラリア州−従来からパースのスワン川でボート・レジャーを楽しむことが定着しているので、人口一人当たりのボート所有率は高い。

 

 

 

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