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海軍のこれまでの調達方式は簡単に言えば艦艇及び艦艇上の機器について海軍仕様に合致した製品の最低入札社に落札する方式である。その手順もコスト高の原因となっている。艦艇の調達についてコスト低減の方法と手順の必要性はすでに議会レベルで問題となっている。

従来の艦艇は契約時一括払い方式であったが、強襲揚陸艦LHD-8の建造に対して議会は増加分支払方式を認めた。さらに国防予算権限法協議委員会は従来海軍が要求していた補助艦の20年或いはそれ以上のリース契約や、2002-03会計年度に調達が予定されている最後の6隻のミサイル駆逐艦DDG51に多年度契約(Multi-Year Procurement: MYP)を適用することを認めている。

DDG51はMYPを適用したことによりクラス全体で14億ドルの節約になったと言われている。

議会が問題とするレベル以外にもコスト低減のタネはいくらでもある。艦艇の設計初期から民間企業が参画したり、仕様や建造法・検査方法を民間船のそれに近づける等であるが、変革はなかなか容易ではない。

 

現在米海軍は調達改革プロジェクトを実施中であり次の8つの項目に分けて具体案の作成を急いでいる。

 

* コミュニケーション

告知サイクルの短縮と業者のすばやい対応に主眼を置いた全体論的コミュニケーション手順の作成。

 

* 民間産業ベースの取込み(Industrial Base Integration)

民間産業ベースを防衛産業ベースにいかに取込むかの指針の作成。すなわち防衛産業技術のどの部分に民間産業の手法、民生技術の導入が可能かを示す。

 

* 提携と業者(Partnering & Customer)

ベンチマークの機会の調査、手配、指示、選んだ会社の強・弱点の評価、その選択の海軍に対する基本的利得の分析、以上に基く業者の推薦、実行方針の提示等。

 

 

 

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