米国商船隊によるものはライナー部門が1,420万トンから1,090万トンと23%減、タンカー部門は1,070万トンから830万トンへと22%減となっているが、不定期貨物船は逆に830万トンから1,010万トンへと21%増加している。
表2-5は米国商船隊の中ではライナー部門が他部門に比して圧倒的に重要であることを示している。1997年で見ると輸送トン数ベースでは37%がライナー、不定期貨物船34%、タンカー28%であるが、金額別ではライナー85%、不定期貨物船13%、タンカー0.3%となっている。
前述のように、米国の船舶による輸出入の平均2.7%が米国商船隊に依存するに過ぎないが、タンカーや不定期貨物船の依存率はそれぞれ1.6%、2.4%と大幅に平均依存率を下回っている。
これに反しライナー部門は9.1%と比較的高率のシェアを維持している。
さらに表2-5から輸送トン当たりの金額を比較してみると、米国商船隊は数量は少ないが比較的価値の高い物を輸送していることが分かる。1997年の全体のトン当たり金額は586ドルであるが米国商船隊のそれは1,744ドルで実に3倍の金額である。ライナー、不定期貨物船、タンカーの全体のトン当たり金額がそれぞれ、3,427ドル、320ドル、149ドルであるのに対し、米国商船隊のそれはそれぞれ、3,963ドル、653ドル、157ドルとなっている。ライナーやタンカーでは全体トン当たり金額と米国商船隊のそれはあまり差はないが、不定期貨物船では米国商船隊は2倍の金額のものを運んでいることになる。
米国商船隊の現役船(Active Vessel)は表2-2に示されるように隻数ベースで、タンカー44%、バルク5%、コンテナ29%、RO/RO船10%、その他12%であるが、米国商船隊の不定期貨物船はRO/RO、個品雑貨輸送船が主で石炭、穀物、木材、鉄鉱石運搬船等の比率が少ないのが不定期貨物船の輸送トン当たり金額を2倍としている理由である。