5-2 NSWCCDの概要
軍研究所で開発された技術が民生転化されるプロセスの代表として、舶用工業に最も関係の深い米海軍技術開発の中心である海軍水上戦闘センターのカルデロック・ディビジョン(Naval Surface Warfare Center、Carderock Division:NSWCCD)の例につき述べる。
NSWCCDは、1992年1月海軍研究所統合計画に基づき有名なテーラー水槽のあるデビッド・テーラー研究センター(David Taylor Research Center:DTRC)と艦艇システム技術ステーション(Naval Ship Systems Engineering Station:NAVSSES)が合併して生まれた研究所である。
DTRC、NAVSSES共に設立後100年を経た歴史の古い研究機関であった。
DTRCはワシントンDCの北西12マイルのCarderock及び海軍兵学校のあるアナポリスに、NAVSSESはフィラデルフィアに主研究設備を持っていたが、いずれも国内各所に散在する支所と共にNSWCCDに引き継がれている(第4図)。