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上記のごとく、ワッセナー・アレンジメントの輸出管理の基本は国内法に基づき参加国全地域の規制を維持しつつ、参加国間で緊密な情報交換を行い、移転に伴うリスクについて共通の認識を醸成する仕組みとなっている。一般的に、機微な品目については厳格な規制を実施する一方、汎用品についてはなるべく規制を緩める方向にある。いずれにせよ、強大な軍備を有し完全な国内法を持つ米国政府の決定が強大な影響力を持つのは当然である。

 

付録3に、OCR International社発行の“多国間輸出規制(Multilateral Export Control)”の抜粋を収録する。本書は多国間輸出規制品目リストとガイドラインについて述べたもので、目次だけでも18頁に及ぶ大部なものである。内容は、ワッセナー・アレンジメント両用品目に関するカテゴリー1から9までの詳細、ワッセナー武器リスト(Wassenaar Munition List)、MTCR、IAEA、AGの諸規則及びそれら諸規則間の相関、さらにDOCの定めるCCLとの相関についても述べられている。

 

ワッセナー・アレンジメント両用品目に関する9つのカテゴリー分類は、下記のとおりである。

付録3に序文と舶用工業に関連する下記カテゴリーの6、7、8及びワッセナー武器リストのうちML9Vessels of Warを収録した。

Category 1 - Advanced Materials

Category 2 - Materials Processing

Category 3 - Electronics

Category 4 - Computers

Category 5 - Telecommunications and Information Security

Category 6 - Sensors and Lasers

Category 7 - Navigation and Avionics

Category 8 - Marines

Category 9 - Propulsion Systems

 

付録3のワッセナー・アレンジメントは、ココムの規則を基に作成されたものである。文中横線で消されている部分はココムの規制から削除された部分、アンダーラインはココムの規制に加えられた部分を示している。ワッセナー・アレンジメント中の軍民両用品目リスト(Dual - Use List)、MTCRリスト、NSG両用品目リスト、AGリストの大部分はDOCのCCLと同じであり、またIAEAリストの大部分の品目は米国原子力委員会のリストと同じである。

 

 

 

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