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SIPは造船業の戦略見通し、ビジネスプラン、投資ポートフォリオ、R&Dロード・マップが混合したもので、MARITECHの基本方針よりもコスト効果の高い、ゴールのはっきりした指針を与えている。今まで各方面で行われた研究は、SIPにより再検討され、その弱点を再確認し、優先順位を定めてテコ入れした上で大きなポートフォリオの中に組み込み、造船業全体の戦略方向を産・官・学全ての機関の協力を得て首尾一貫した方針の下に築き上げようとしている。SIPは上記ビジネス戦略を達成するために、第5表に示す5つの主イニシアチブとそれに随伴する34の補助イニシアチブを定めている。また、各々のイニシアチブにはビジネス戦略全体の中の相対的重要度及び投資コストが示されている。

 

SIPでは米国の造船業が他の造船国に比し全体コストで2倍以上であり、材料費も造船所における建造費もいずれも高く、材料費のみで他の造船国の全体コストを上回る現状(第2図)を打開するため、造船所内建造システムの合理化はもちろん、例えば舶用工業においても他の造船国が採用している舶用機器製造業者と造船所間の全国サプライ・チェーンを形成し、安価で合理的な製品がジャスト・イン・タイムで得られるエンタープライズ形成を提唱している。また、現在舶用機器の調達でガンとなっているのはバイアメリカンの基本方針で、外国に安いものがあっても情報が不足して使えない状況であり、さらに米国製品のスタンダード化が遅れている点であるとしている。これらのガンをエレクトロニクス・コマースやスタンダード化の手法を使ってコストダウンすべき目標が、第6表のごとく与えられている。

 

MASEは1999年から2003年度までの5年間に総額4億5千万ドルが投資されるプロジェクトで、今後個々のプロジェクトが進められていくが、各申請者はなるべくSIPの目標にあったテーマを提出するよう求められている。MASEはコストシェアリング・プロジェクトであるが、民間側が拠出する金額が圧倒的に多いプロジェクトでは、MARITECHのごとく開発成果が開発者に帰属する例外も認められている。

 

 

 

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